垂直スプレッド:限られたリスクで方向を取る
この回で学ぶこと
強気・弱気の垂直スプレッド、そして Debit と Credit のスプレッドがリスクにどう上限を付けるかを見る
なぜスプレッドをやるのか
ここまでは単脚の戦略でした。この回から複数脚の組み合わせに入ります。垂直スプレッド(Vertical Spread)はいちばん基礎で、いちばん実用的な組み合わせの一つです。
コールやプットを一枚だけ買うと、最大損失はプレミアム全部です。方向の判断がそれほど強くない、またはコストを下げたいなら、同時に一枚買い、一枚売り、リスクもリターンも上限を付けられます。
ポイント: 垂直スプレッドの核心は、限られたリスクで、より制御しやすい収益の形を取ることだ。
強気の垂直スプレッド
Bull Call Spread の構造:低い行使価格のコールを買い、高い行使価格のコールを売る。満期は同じ。

ネットのプレミアム(Debit)を払い、株の上昇を望みます。最大利益も最大損失も有限です。
ポイント: 低い行使価格のコールを買い、高い行使価格のコールを売る。お金を払って強気を取る。上昇は上の脚で上限が付く。
弱気の垂直スプレッド
Bear Put Spread の構造:高い行使価格のプットを買い、低い行使価格のプットを売る。

同じくネットのプレミアムを払い、株の下落を望みます。リスクもリターンも有限です。
ポイント: 高い行使価格のプットを買い、低い行使価格のプットを売る。お金を払って弱気を取る。下落は下の脚で上限が付く。
リスクに上限が付く利点
単体の買いオプション:最大損失 = プレミアム全部。ゼロになり得る。
垂直スプレッド:最大損失は開く前に計算できる。支払ったネットプレミアム、または受け取ったネットプレミアムに対応する最大損失。

ポイント: 単体の買いオプションに比べ、スプレッドは最大損失をはっきり制限する。
Debit スプレッドと Credit スプレッド
Debit Spread: ネットのプレミアムを払い、原資産が有利な方向へ動くことを望む。
Credit Spread: ネットのプレミアムを受け取り、原資産がある範囲に留まることを望む。
どちらも、リスクもリターンも有限の構造です。

ポイント: 一方はお金を払って方向を取り、一方はお金を受け取ってレンジに賭ける。まず「買い + 売り」の論理をはっきりさせる。
まとめ、次はサイズを見る
まずは単純な Bull Call / Bear Put から。開く前に最大利益と最大損失を必ず計算する。スプレッドは穏やかな強気・弱気に向く。暴騰暴落を狙うものではない。流動性の薄いオプションでスプレッドを組むと、売買スプレッドが利益を食う。
この回で一番大事な一文: 垂直スプレッドは「限られたリスク」で「より制御しやすい方向判断」を取る。単体のオプションから組み合わせへ進む、最初の一歩だ。
どんなに良い戦略でも、サイズが暴走すれば、一度で長期の積み上げを飛ばし得る。次の回は、一取引のリスク、総エクスポージャー、そして頭の使い方をどう抑えるかです。
先にこの三文を確かめる
次の回の前に、この三問を通す。飛ばしてもよい。
1.垂直スプレッドは限られたリスクで、より制御しやすい方向判断を取る。
2.買いの垂直スプレッドは、支払ったネットプレミアムより大きく損し得る。
3.垂直スプレッドは、同じ満期で行使価格が違う二本脚だ。