Covered Call:すでに持っている株で、毎月家賃を取る
この回で学ぶこと
カバードコールの構造と三つの結末、そして誰に向いて誰に向かないかを見る
Covered Call とは何か
この回から、実際の戦略に入ります。最初はいちばん古典的で、すでに株を持っている人に合う Covered Call(カバードコール)です。本質は「株を持つ + コールを売る」。すでに持っているポジションに、時間価値で家賃を取ります。
いちばん単純な構造は、ある株を 100 株持って、その株のコールを 1 枚売ることです。

すでに株を持っているので、売ったコールは「カバーされている」。裸売りにはなりません。リスクが実際に抑えられる売り戦略の一つです。
ポイント: 株を持つ + コールを売る = Covered Call。株が、売り手の義務の担保になる。
なぜこれをやるのか
核心の目的は一つです。プレミアム収入を得ること。
もともとこの株を持っている。コールを売った瞬間に、プレミアムが口座に入ります。そのお金は保有コストを下げることもできるし、追加の「家賃」として扱うこともできます。

ポイント: すぐに入るプレミアムが、この戦略の核心の収益源だ。
三つのあり得る結末
株が横ばい、または少し上がり、行使価格を超えない:コールは満期で消滅。株は残り、プレミアムは全部残る。いちばん理想的な場合です。
株が大きく上がって行使価格を超える:株が行使されて「呼ばれる」ことがある。行使価格で株を売り、プレミアムは残る。利益には天井がある。
株が下がる:プレミアムは下落の一部を緩衝するが、全部は相殺できない。株は持ち続け、下落リスクは残る。

ポイント: Covered Call は「上昇の一部を手放す」ことで、「確定のプレミアム収入」を取る。
向いている人、向いていない人
向いている: すでに株を持っている、先行きは中立から穏やかな強気、ある価格で売る意思がある、キャッシュフローを増やしたい人。
向いていない: 強く強気、どんな価格でも株を売りたくない、上昇に天井をつけたくない人。

ポイント: 中立または穏やかな強気で、追加収入が欲しい人に向く。強く強気で株を売りたくない人には使わない。
まとめ、次は Put を売る
初心者がよくやる失敗:満期が近すぎて時間の緩衝がない。行使価格が低すぎて、早めに呼ばれやすい。決算前にコールを売って、IV Crush や大きな値動きに当たる。Covered Call を「リスクのない家賃取り」だと思い、下落を無視する。
この回で一番大事な一文: Covered Call は「上昇の一部を手放す」ことで「安定したプレミアム収入」を取る。株を持っていてキャッシュフローを増やしたい人に向く。強く強気で株を売りたくない人には向かない。
いま手元に株がなくても、もっと安い価格で買いたいなら、次の回は Cash-Secured Put です。
先にこの三文を確かめる
次の回の前に、この三問を通す。飛ばしてもよい。
1.Covered Call の前提は、すでに対応する現物を持っていることだ。
2.株が大きく下がると現物は口座から消え、損するのはプレミアムだけだ。
3.株が大きく上がると、上値は行使価格で頭打ちになる。